平静とロマン

平成生まれの大正浪漫

厚い雲に覆われて

冬へのラブレターを突発的に書きなぐってブログをはじめてから1年が経ったらしく、はてなブログからメールが来た。

切れ味の鋭い寒さに震えながらも、その鮮やかな静けさにうきうきしていた12月1日は、最新の12月1日ではなくなってしまった。

おととしの12月1日は何をしていたのか覚えていないし、こうやって日々はすこしずつすこしずつ重ねられて、それぞれの輪郭を失って大きな"過去"というまとまりの中に溶けていくんだ、とさびしくなる。


わたしはまだ若いけれど、1日1日確実にその若さは色あせていく。
流れるように歳をとるうちに、気がつけば若さだけを失って、何も得ないまま花びらは散ってしまうような気がする。

物事にはいろんな側面があって、なにかを失うということは同時に必ずなにかを得ることだ、ということくらいは若いわたしでも知っているけど、失うかわりに得たものが必ずしも失ったものより豊かである保証はない。


1年のあいだにいろんな知識を得たはずなのに、わたしは俯いてばかりいるようで。
書いたり話したりせずにはいられないような発見や、すらすらと重ねることのできた言葉はどこへ行ってしまったのだろう。
文章を書く手が何度も止まる。

大人の階段を上がっているつもりでも、実は天地が逆さまで、目が離せないようなきらめきからどんどん遠ざかって、転がり落ちているだけかもしれない。

雨は止むだろうか、光はふたたび射すだろうか。