平静とロマン

平成生まれの大正浪漫

2016-01-01から1年間の記事一覧

厚い雲に覆われて

冬へのラブレターを突発的に書きなぐってブログをはじめてから1年が経ったらしく、はてなブログからメールが来た。切れ味の鋭い寒さに震えながらも、その鮮やかな静けさにうきうきしていた12月1日は、最新の12月1日ではなくなってしまった。おととしの12月1…

ぼくらが旅に出る理由

小沢健二は歌の中で教えてくれなかったけど、わたしたちにはたしかに旅に出る理由がある。二人がけのシートから見る景色は、七人がけに座ってみるよりずっとエモーショナルだといつも思う。なぜだろうか。 遠くに響く電車がレールの上を走る音を聞きながら、…

海の音、空の星

プラネタリウムは、好きだけど、怖いものである。 暗闇で星に囲まれていると、宇宙の大きさを知って、自分の小ささに怖くなる。わたしは一人のただの人間で、わたしのこの目線と思考はわたしが死んだらなくなってしまう。わたしはどこからきて、なにものなの…

創造の想像

AIとかロボットみたいなテクノロジーとソーシャルネットワークが世の中全体に普及したら、もっと資本主義が進むしいろんなお仕事がなくなっちゃうから、よく考えて、自分で自分の人生を決めるんだよって、好きな先生に言われた。中退したけど、わたしはそこ…

考えること・夜

夜、車に乗って、助手席から電灯の並ぶ道路を窓から眺める。空はまっくらなのに、たくさんの灯りに照らされて明るいままで。 小さいころから住んでいる街の、よく知っている風景のはずなのに、ぜんぜん違う気がする。 半年くらいの間に、いままでのわたしの…

高い敷居について

いつもみている好きなバラエティ番組で、歌手志望のお姉さんの歌詞ノートを読みながら芸人がその内容をネタに笑っている場面があった。自分に関係があるわけじゃなくても、すごく傷ついた。お笑い芸人だって、おもしろいことを考えてお客さんを笑わせる表現…

その色は青

幼いころから、「大人っぽいね」とか「落ち着いてるね」って周りのひとに言われることがすごく多い。 大人はたいていほめ言葉のように言ってくれるけれど、同年代の子どもがわたしにそう言うときは、ことばの内側にたしかな線引きがある。大人っぽいから、こ…

ダイヤモンドの覚悟

どうしてもやりたいことって、なかなか見つからない。高校生が行きたい大学を探すときに、大人は「将来やりたい仕事とか目標から逆算して決めましょう」なんて言うけれど、たかだか16とか17で自分にはこれしかないって腹をくくって将来を描くことのできる人…

わたしのそばに輝く星

人の一生を86年とすると、2年間はおよそ2.3%にあたる。 全体の50分の1よりちょっとおおいだけの、ほんのすこしの時間に見えるかもしれないけれど、17歳のわたしにとっての2年間はいままでの人生の12%を占めている。それだけの期間、変わらずずっとひとつのも…

蜘蛛の糸

わたしは泣くのが苦手だ。 得意なひとのほうがすくない、むしろみんな苦手かもしれないけれど、どんなに悲しくてもわたしはどうしても人前では涙を流すことができない。 悲しみにはふたつの種類があると思う。ひとつめは、直接的で大きな悲しさ。 「失うこと…